PC-Transer 入門 第5回


■辞書機能

●PC-Transer の辞書には大きく分けて次の2つがあります。

@ 翻訳(MT出力)のための辞書

・基本語辞書(約20万語)
・専門語辞書(別売 18分野)
・ユーザ辞書(1ファイル最大10万語登録可能)

*専門辞書とユーザ辞書は最大4個まで同時に使用できます。
「単語」プルダウン・メニューから登録・参照を行ないます。

A 参照用の辞書

[英和/和英辞典]は、市販の辞書と同じような参照用辞書です。

・英和辞書(約6万語)
・和英辞書(約10万語)

CD-ROMの辞書を引くような感じで使います。例文もあります。

●辞書登録

@ユーザ辞書の登録をするには、先ず辞書の設定をします。

「辞書を開く」ウインドウで「ファイル名」のテキスト・ボックス に任意のファイル名を入れて「開く」をクリックすると、新規に作 成するか聞いてくるので、「はい」をクリックすれば辞書の「空っ ぽのバケツ」ができます。この中に登録していきます。

A「辞書登録」ウインドウの出し方にはいくつかあります。

・訳語変更のウインドウから((辞書登録))をダブルクリックする

・「単語」プルダウンの<辞書登録>をクリックする。この時登録した い語をあらかじめ選択して反転表示させておくと、自動的に「見出 し語」に取り込まれます。
メニュー・バーの「登録」ボタンをクリックしても同じです。

B 登録できる品詞

・「名詞」「動詞」「形容詞」「副詞」「従属接続詞」「前置詞」 「単位」の7品詞が登録できます。

・「辞書登録」ウインドウの[品詞]ボックスをクリックすると、 上記の品詞が選べます。選んだ品詞によって、入力する項目が 変わります。

*「従属接続詞」「前置詞」の登録は、できるだけ避けた方が無難 です。限定された文脈の中では有効ですが、汎用性はほとんどあ りません。

* 品詞は、必ずしも英文法を厳守する必要はありません。機能的な 面から指定します。つまり、名詞を修飾するものであれば「形容 詞」を、動詞を修飾するものであれば「副詞を」選ぶといった具 合です。

C 見出し語

・半角で60文字まで入力できます。

・見出し語を入力すると、選択した品詞に合わせて活用形(規則 活用)が自動的に表示されます。不規則活用などの場合は、直 接修正します。固有名詞などは複数のボックスを空欄にします。

D 訳語

・ 全角で30文字まで入力できます。半角文字は入力できません。

・ 動詞の訳語は、終止形で入力します。(「〜する」といったように) 活用形を入力する必要はありません。

図1 辞書登録ウインドウ(名詞)

見出し語を入力すると、自動的に複数形が表示される。不規則変化の場合は、直接修正する。
固有名詞など複数形がない場合は空欄にする。


図2 辞書登録ウインドウ(動詞)

見出し語を入力すると、自動的に過去形、過去分詞形、進行形、三単現が表示される。不規則動詞の場合は直接修正する。


● 辞書ツール

PC-Transer/ej には本体のプログラムとは別に、「英日辞書ユーティリ ティ」が付属しています。このツールを使うと、テキストファイルで用 意した辞書ソースを一括でトランサー形式の辞書に変換したり、トラン サー形式のユーザ辞書をテキストファイルに変換できます。

図3 英日辞書ユーティリティ

テキスト形式の辞書ソースをトランサー形式の辞書に一括変換したり、トランサー形式のユーザ辞書をテキストファイルに書き出すことができる。さらに、英日辞書を日英辞書に(またはその逆に)変換することもできる。


●ユーザ辞書登録の重要性

どんなに大きな辞書を設定していても、ユーザ辞書の登録は不可欠です。 例えば、固有名詞(人名、地名、商品名、作品タイトル等)は、無限に ありますので、目に付いたものからどんどん登録します。

MTの辞書は、単に訳語を登録するためだけのものではありません。

・MTは、先ず形態素解析を行ないます。意味の最小単位として英単語を切 り出すわけです。

・次に、その単語の品詞解析をします。この時、辞書の中に付加されてい る品詞情報を参考にするのです。一つの語に複数の品詞が登録されている 場合は、統計学的に頻度の高い品詞が優先されます。

・さらに、その品詞解析の結果に基づいて構文解析が行われます。 その際、中心となるのは「動詞」です。動詞を特定して、その前後にある 名詞(名詞句)を手がかりに文型を推測し、形容詞(句)、副詞(句)、 などの係り受けを決定していきます。

ユーザ辞書に登録するということは、その単語(連語)の品詞を特定する 働きがあり、構文解析の精度をあげるために非常に有効な手段なのです。 ですから、固有名詞等の訳語が分からない場合でも、とりあえず訳語の 部分はカタカナや英語のままにしておいて、「名詞」として登録しておく ことが大切です。


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