翻訳ソフト実践ワークショップ
第1回 原文の読み込みと前処理 【演習】

MS-Wordの「読みやすさの評価」

MS-Wordでスペルチェックをしたついでに「読みやすさの評価」見ておきましょう。
読みやすいからと言って必ずしも翻訳ソフトの出力結果が良いとは限りませんが、難易度の大体の傾向がつかめるでしょう。(ここではWord2000を使用します)

「読みやすさ評価」の設定

「読みやすさ評価」の機能は単独では実行できません。「文章校正」が終了した時点で表示されます。

それでは、実際に操作してみましょう。
先ず、「読みやすさ評価」が表示されるように設定します。
Wordを起動して「ツール」メニュー→「オプション」をクリックします(図1)。
(図1)

「オプション」ウインドウが開いたら「文章校正」タブをクリックします。下の方の「文章校正」のセグメントにある「文書の読みやすさを評価する」にチェックを入れます(図2)。「OK」ボタンをクリックしてウインドウを閉じます。
(図2)

これで準備が整いました。

「読みやすさ評価」の表示

文章を読み込んで「文章校正」を行います。
「ツール」メニュー→「文章校正」をクリックするか、 のアイコンをクリックします(図3)。「F7」キーを押しても結構です。
(図3)

「文章校正」が終わると「読みやすさの評価」が表示されます(図4)。
(図4)

次に、ニュースの文章で試して見ました(図5)。
(図5)

最後にコンピューターのマニュアルもやって見ました(図6)。
(図6)

評価項目の読み方

Countsでは以下の項目の総数が表示されています。
  • Words:単語数(翻訳作業では常に把握しておく必要があります)
  • Characters:文字数
  • Paragraphs:パラグラフ数
  • Sentences:センテンス数
Avaragesでは以下の項目の平均が表示されています。
  • Sentences per Paragraph:1パラグラフ当たりのセンテンス数
  • Words per Sentence:1センテンス当たりの単語数(これが多いほど長く複雑な文章であると予想されます)
  • Characters per Word:1単語当たりの文字数(これが多いほど専門的な用語が多く使われていると予想されます)
Readabilityでは読みやすさのグレードが表示されています。
  • Passive Sentences:受動態の文章の割合(これはグレードとは違いますが、以下の評価を補う意味があるようです...)
  • Flesch Reading Ease:1センテンス当たりの平均単語数と100単語当たりの平均シラブル数を元に計算され、0〜100の数字で表されます。数字が多いほど読みやすいことになります。60〜70がスタンダードです。
  • Flesch-Kincaid Grade Level:1センテンス当たりの平均単語数と1単語当たりの平均シラブル数を元に計算され、米国の学年でレベルが表示されます。つまり数字が大きいほど難しいということです。6〜10が望ましいとされています。

今回のサンプルを比べてみましょう。

  Passive Sentences Flesch Reading Ease Flesch-Kincaid Grade Level
契約書 35% 13.6 12.0
ニュース 19% 41.2 12.0
マニュアル 26% 51.0 9.7

契約書→ニュース→マニュアルの順に読みやすいということになります。たったこれだけの例でも文書の傾向が多少はわかります。

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