プロフェッサーのプロフィール
柴田裕之(しばた やすし)

早稲田大学理工学部建築学科卒業。Earlham College (米国)心理学科卒業。
バベルで翻訳を学び、主としてノンフィクション分野の翻訳者として訳書多数。翻訳及び英語教育に関する著書もある。1990年代よりバベルの講師として教室授業・通信教育に従事。

[訳書] ユヴァル・ノア・ハラリ『サピエンス全史』(河出書房新社)、シェリー・ケーガン『「死」とは何か? イェール大学で23年連続の人気講義』(文響社)、ニーアル・ファーガソン『スクエア・アンド・タワー』(東洋経済新報社)、ジョン・フォン・ノイマン『計算機と脳』(ちくま学芸文庫)、キティ・ファーガソン『ピュタゴラスの音楽』(白水社)、フランス・ドゥ・ヴァール『共感の時代へ 動物行動学が教えてくれること』(紀伊國屋書店)、アビゲイル・トーマス『スリードッグライフ』(バベルプレス)ほか多数 [著書] 『かんたん英語でピタリ通じる英会話の本』(小学館)、 『Newsweekボキャビル1000語大作戦』、『Newsweekパワ−ボキャブラリ−1000語』(以上共編著、バベルプレス)

開講にあたって

翻訳という作業には、原文の内容を読み取る能力と日本語で表現する能力に加えて、翻訳の変換技法が必要です。そのひとつとして挙げられるのが、機械的に英語を日本語に置き換える、いわゆる英文和訳の技法でしょう。これをマスターすれば、たしかに大学入試では点がとれるのかもしれませんが、できあがった訳は、日本語としては不自然な場合が多く、意味が伝わりづらいこともよくあります。
それでは、長い時間をかけ、ひたすら試行錯誤を繰り返し、先人の訳の真似をしながら技を盗み、体験に基づいて少しずつ感覚的にコツをつかんでゆくしかないのでしょうか。これは、あまりにたいへんですね。
たしかに、原文は契約書などの定型化された部分を除けば、毎回すべて違うので、翻訳にあたっては臨機応変が建前です。とはいえ、どんな原文の翻訳であれ、英語の構文や発想を日本語の構文や発想に変換する点は共通しています。この変換の原則を体系的にまとめたのが翻訳英文法なのです。不自然でわかりづらい日本語に機械的に置き換える英文和訳にかわって、翻訳英文法の基本ルールをマスターすれば、変換作業の基本が確立され、翻訳の質も効率も上がることでしょう。
この講座はテーマごとに全部で8つのレッスンに分かれ、さらに各レッスンはポイントごとに3〜5のユニット、合計で31ユニットに分かれています。一気に勉強することもできますが、負担にならない程度に、小刻みに取り組むのも有効な方法でしょう。それぞれのレッスンやユニットは独立性が高いので、順番にこだわる必要もありませんし、苦手な箇所を重点的に学ぶ手もあります。
また、なにも一回で完璧にマスターする必要はありません。ほかの講座の学習や自習などをしていて、問題にぶつかるたびに、該当するレッスンやユニットに立ち戻り、復習すればよいのです。そうでなくとも、ときおりさっと目を通したり、音声講義を聴いたりして、おさらいをすると、翻訳英文法の基本ルールが頭にしっかり定着することでしょう。
どうぞ、この講座をじゅうぶん活用して、翻訳の変換技法の基本を身につけ、今後、あらゆる翻訳の場面で役立ててください。