PC-Transer活用法
翻訳メモリ機能の使い方(2)
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● 翻訳済みデータを対訳形式にする

 過去に翻訳した訳文ファイルと、対応する原文ファイルが手元にある場合は、一文ずつマッチングさせた対訳ファイルを作成しておいて翻訳メモリに一括登録しましょう。この、原文と訳文をセンテンスを基準にして対応させる作業はかなり面倒ですが、PC-Transerの「原文・訳文読込」機能を使えばかなり楽にできます。
 手順としては、先ず原文と訳文のテキストファイルを用意します。次に、対訳エディタの「ツール」メニューから「スクリプト」をクリックして「スクリプト」画面を表示します。ここで、「原文・訳文読込」を選択して「実行」ボタンをクリックします(図5)。

[図5] スクリプト画面
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 「原文ファイルの指定」画面が開くので原文ファイルを指定して「開く」ボタンをクリックすると、続いて「訳文ファイルの指定」画面が開くので訳文ファイルを指定して「開く」ボタンをクリックします。すると、最初に原文が読み込まれ続いて訳文が読み込まれます。この操作だけで完璧な対訳ファイルができればいいのですが、実際には原文と訳文がずれていることが多いので確認が必要です。原文のセンテンスが長く複雑な場合、分割して訳文を作成するのが一般的です。そこでずれが生じることが多いようです(図6)。

[図6] 対訳のずれ
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 このような場合には、片側改行挿入(SHIFT+ENTER)を使って修正します。原文側で片側改行を挿入すると、空のセルが一つできるので次に訳文の先頭にカーソルを置いてBack spaceキーを押すことで、ずれた訳文のセルを一つ繰り上げることができます。最初は少し戸惑いますが、慣れると簡単にマッチングできるようになります。修正が終わったら対訳テキスト形式で保存しておいて翻訳メモリにインポートします。インポートの方法は最初に説明した通りです。
 さて、このようにしてインポートした翻訳メモリを使って、対訳ファイルを作成する際に使った原文で完全一致文検索を行えばすべて置換されると思われますが、実際にはうまくいかないことがあります。対訳エディタに読み込んだ際に自動的に文末判定されたセグメントと翻訳メモリに登録したセグメントが食い違ってしまうのが原因です。これは、翻訳メモリ画面で修正する必要があります。類似検索を使えば比較的簡単にできます。


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