英日・日英翻訳支援ソフト 「PowerE/J 翻訳プラス辞書これ一本!バイリンガル Ver.5.0」 |
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バベルMT研究会主宰 小室誠一 http://www.babel.co.jp/mtsg/ mt@buc.babel.co.jp |
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翻訳ソフトは用途によって次の2種類に大きく分けられます。 (1)一般のユーザーが英文の読み書きをするツール (2)プロの翻訳者が「翻訳」をする際の支援ツール 翻訳ソフトを訳文作成の支援ツールとして使用する場合には、訳文がぎこちなくても、全体の意味が通らなくても、最終的に翻訳者が訳文を修正するので、編集機能が充実していれば十分に実用的です。 でも、英文を読む道具として使う場合には翻訳精度がすべてです。訳が間違っていたり、意味がとりにくかったりすれば道具として「訳に立たない」ことになります。 英日翻訳ソフトとしての「PowerE/J Ver.5.0」はどちらかというと、英文を読む道具の分類に入るでしょう。 今では、WEBブラウザ連携の翻訳ソフトが数多く販売されています。つまり読む道具としての翻訳ソフトです。ブラウザに表示されるレイアウトをそのまま保持する機能はどのソフトも完璧に近くなりましたが、肝心の訳文の質があまり良くないというのは、実際に使ったことのある人なら少なからず感じているはずです。 今回「PowerE/J Ver.5.0」を使ってみて、他の翻訳ソフトとは訳文の質が違うと実感しました。(図1)
どうもその理由は、「英英変換」と「日日変換」にあるようです。 現在の翻訳エンジンには限界があり、少し複雑な文章になるとまったく意味の通らない訳文が出力されてしまいます。そこで通常は、翻訳する前に、長い文章を分割したり、係り受けを明確にするフレーズ指定をしたり、省略された語句を補うといった「前編集(まえへんしゅう)=プリ・エディット」を行い少しでも翻訳しやすい形にします。それでもまだ不完全な訳文が出力されることが数多くあるので、その場合は訳文に手をいれます。つまり「後編集(あとへんしゅう)=ポスト・エディット」です。 「PowerE/J Ver.5.0」は、通常なら手動で行う「前編集(英英変換)」と「後編集(日日変換)」を自動で行う機能を搭載しています。そのために、従来の翻訳ソフトと訳文の「質」が違っているのです。 また、基本辞書167,000語に加えて5分野の専門辞書98,000語が装備されていて、専門辞書は2分野まで設定および優先順位の変更ができます。 このように「PowerE/J Ver.5.0」の基本的な機能は非常にレベルが高いと言えますが、それにも増して周辺の機能が驚くほど充実しています。 インストール後にデスクトップに作られる「E/J Manager」というショートカットをクリックすると、PowerE/Jに含まれる翻訳ソフトウェア、辞典ソフトウェアなどのアイコンが1つにまとめられた「EJマネージャー」が起動します。(図2)
これを見ただけでもいかに多くの機能があるかわかります。 少し詳しく見て行きましょう ●WEBブラウザのレイアウトをそのまま崩さずに翻訳する「ホームページ翻訳」 ページ全体を訳すのはもちろん、要約文の訳出や(図3)、特定の語句を含む英文だけを抽出することもできます(図4)。
●対訳ウインドウで翻訳する「テキスト翻訳(英日)」 クリップボード経由での翻訳もできます。(図5)
●指定フォルダ内の英文を一括翻訳する「まとめて翻訳」 ホームページやテキストの翻訳を管理できます。 ●単語や連語に自動的に訳をつける「おまかせ訳振り」 実は、これはシャープ独自の機能だそうです。単なる辞書引き機能であれば他にいくらでもありますが、この「おまかせ訳振り」では、原文の単語や連語の品詞解析をした上で訳語を振ってくれます。さらに、12段階の難易レベルで訳語を表示できます。英語の学習にも便利な機能です。(図6)
●「お手軽ユーザー辞書(英日)」では、名詞の語句の登録ができます。また、英語のまま出力したい語句を一括で登録することもできます。 ●日英翻訳の場合は「テキスト翻訳(日英)」で行います。(図7) ユーザ辞書登録のほかに定型文の登録ができます。
この他に、ウィザード形式で英文メールが作成できる「英文メール作成支援」や辞書から用例を一括検索する「おたすけ英作」(図8)、そして「ジーニアス英和辞典」や「プログレッシブ和英中辞典」さらには「国語辞典」「漢和辞典」さらに便利な「ここだけ翻訳」など、それだけで十分独立したソフトとして利用できる機能満載のソフトです。
このように、あまりにも機能が多すぎて、すべて使いこなすそうとすると大変ですが、裏を返せばかならずどれかの機能が役に立つということです。確かに、「これ一本」でほとんどのことが間に合ってしまいます。 実際に使用した感想をまとめると---
日常業務で英語を使っている人の要望が十分に取り入れられた「翻訳支援ソフト」という感じがしました。 |
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